やりたいことはいつかじゃなくて今日からやる。

旅行記とコレクション中心の記録

白夜のフィンランド ヘルシンキ観光いろいろ

今回のフィンランド旅行記はこれが最後、ヘルシンキ観光についてです。

トラムを使いこなすべし

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ヘルシンキの街は地図の縮尺を見ればわかるとおり小さい街ではあるものの、石畳で歩きやすいとは言いがたい。観光のコツはやはりトラムを使いこなせるかだと思います。観光客に便利なのは、Day Ticketという一定期間乗り放題のチケットで、トラムだけでなくバスや地下鉄、スオメンリンナ島へのフェリーも利用できます。チケットは、有効期間(1日から7日まで)と、有効範囲(ヘルシンキ市内のみか、Espoo等市街地も含むか)で値段が変わりますので、旅の予定と合わせて購入するのがオススメです。売り場は大きなトラムの乗り場、デパート、ヘルシンキ中央駅の窓口等です。

こちらがヘルシンキ市内のみ有効のチケットの値段(2013年6月時点)。

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こちらはヘルシンキ+近郊有効のチケットの値段。

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チケットの有効期間は、チケットを買った時、ではなくこの写真のような読み取り機(緑の十字のあたり)にピっとかざしたタイミングから始まります。

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1番最初に利用する時に、忘れずチケットをかざしましょう。トラムは改札がない(抜き打ちでたまにある)、良心に任されたシステムですが、抜き打ち改札で有効なチケットを持っていないと高額な罰金を取られますので、自分のチケットがいつまで有効かチェックしましょう(上の機械にかざしてvalidと出ればまだ有効という意味です)。

トラムの駅に書いてある地図は、正直分かりづらいので自分の手持ちの地図と照らし合わせて降りるところを間違えないようにするか、事前に検索して駅名を調べておけばなお安心。ヘルシンキのホテルはwifi対応しているところが殆どなので事前のチェックはしやすいと思います。次の列車の待ち時間が表示されているのと、時間に正確な運行なので安心して利用できます。降車したいときは、上の写真の左上にある赤いボタンを押してください。

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オマケ:これが夏の間だけ運行しているというPubトラム!赤い列車でひときわ目立ちます。

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白夜のシーズンの旅行

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6月初旬は夜10時でもまだ明るく、朝3時も明るく…とまさしく白夜シーズン。観光客にとっては、ずっと明るいので安心、湿気が少なく過ごしやすい天候でした。観光施設は夏のみオープン、とか夏だと開館時間が長い、という場所が大半で、色々回りやすいのも◎。一方で、日差しはかなり厳しい(しかし現地では誰も日傘を使用しない)ので、日焼け止め、帽子、サングラス等は必須です。また今回白夜を体験して気付いたのは、自分は夕日を写真に撮るのがかなり好きだったんだな、ということ。北欧の夕景も見逃せない美しさなので、白夜だと夕日が見れないのはちょっと残念でした。

ヘルシンキ市内もやっぱり岩の街だった!

フィンランドからVRの列車に乗ると、こんな感じの岩、岩、岩の風景が何回も出てきます。固い地盤の上に立つ国なんですね。

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ヘルシンキ市内でも、こんな感じの岩の風景が色々なところで見られます。中でも白眉なのは、テンペリアウキオ教会。岩をくりぬいて作られた、静寂の似合う教会です。ヨーロッパには数多の教会がありますが、この思い切ったデザインはフィンランドならではです。

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教会の上(岩の上)には登れます。この教会の上ではBBQパーティとか日光浴やっている人がいるのがなんともフィンランド的。

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教会つながりでもう1つ異色の教会を紹介。Kampi広場にある静寂の教会は木製で、上から太陽光が差し込む、実際の大きさ以上に荘厳さを感じる場所です。外から見るとこんな感じ。

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中に入ると、賑々しいKampi広場の喧騒からは一転、天井から差し込む太陽光が木目を照らす静かな空間。

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こんな美しいデザインと、(日本人の感覚だと残念な感じの)街の路面のゴミ・吸い殻が同居しているのがフィンランド。ちょっと不思議な感覚です。

困ったらストックマン

お土産に、今日の夕ご飯に、悩んだら頼りになるのはヘルシンキ最大のデパート、Stockmanです。建物そのものが立派なので見ごたえがありますし、地下の食材(特にチーズ)の種類が潤沢なので、テイクアウトしやすい。何か食べたい時、8階のフードコートは、日本のと同じフードコートとは思えない静かで落ち着ける場所です。

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催事場ではフィランンド展?が行われており、物産としてトナカイの皮やイッタラの職人が出張してのマウスブロー展示等していました。下の写真、確かに炉の大きさは小さめですが、これがデパートの中の催事なのが驚き。

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白夜のフィンランド フィスカルスビレッジに行く

ヘルシンキから西へ一時間半、フィスカルスビレッジにも行ってきました。たとえるなら、軽井沢みたいな場所で、緑豊かな川辺の小さな街に、様々な分野のアーティストが住んでいる場所です。のんびりと散歩したり、アーティストの作品を見物したり、アイスを食べたり、とゆったり1日を過ごすのがオススメの場所です。フィスカルスの会社そのものは既にこの場所にはありませんが、またしてもイッタラアウトレットはあります。

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<アクセス情報>

HelsinkiからKarjaaまでVRで1時間位。列車は1時間に1本位なので、事前に時刻表を確認しましょう。Karjaa駅からはバスか、タクシーとなりますが、今回はバスを利用しました。Karjaa駅の高架橋にあがって右手に進み、突き当りを右、坂道を下ります。降りたところの道路を渡って左側に白い建物のバス停があります。この建物、バス停兼観光案内所のようで、フィスカルス村の英語のパンフレットがもらえます(日本語のパンフレットはココ)。ただ、バスの時刻表に英語表記がないのでよく分かりません…が、どうやら電車の到着時刻とリンクしてバスが来るような設定になっているようでした。

バス停近くの…これは何でしょうか??FISKARSのロゴが書いてあります。

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まずはフィスカルス村の端に位置するフィスカルス美術館へ。フィスカルス=ハサミ、のイメージでしたがカトラリー等も作っていたんですね。

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家具、ガラス、金属加工等様々なジャンルのアーティストの工房があり、部分的に見学できます。

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 様々な大きさと色のキャンドル。ロウソク消費量世界一のフィンランドだけありますね(このキャンドルはヘルシンキ市内でも買えます)。

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全体的に緑が多く、鳥が歌うのんびりとした場所です。

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 奥に見えている白い花のように見えるものは、なんと一面のタンポポの綿毛!すべてがタンポポで埋め尽くされていてびっくりしました。

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 アーティストの作品の一部はこちらのショップで購入も可能です。

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イッタラのアウトレットも有り。ハサミ等のフィスカルス製品は大量に置かれていました。

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ランチはこのホテルのレストランで頂きました。今回の旅行で食べた食事の中でも一番おいしかったです、オススメ。

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 新じゃがのサラダ。このマヨネーズがとてもフレッシュで美味しかったです。

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 このプレートはとても…肉じゃがの味で、日本食食べているみたいでした。お肉が柔らかい。

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帰りのKarjaaの駅舎の中の様子。白が基調で可愛らしい。

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 フィスカルスビレッジは、ひたすらのんびり北欧の緑を満喫できる場所なので、時間を大目に(1日は欲しい)確保することをオススメします。夏のシーズンだと日差しは厳しめなので、熱中症には注意してください。

白夜のフィンランド アラビアミュージアムに行く

今回の旅の目的はガラスを満喫することでしたが、北欧デザインの陶器も見逃せないということで行ったのがヘルシンキ郊外にあるアラビアミュージアムです。今まで紹介した場所の中で一番行くのが簡単な場所ですが、北欧デザイン好きなら見逃せないところ。今回は参加してませんが、予約すれば現行のアラビア製品の工場見学も有料で可能です。また、同じ建物内にイッタラのアウトレットもあります。

<アクセス情報>

ヘルシンキ市内、6か8番線のトラムでアラビアへ。

開館時間:火曜日-金曜日 12:00-18:00、土日 10時-4時

トラムを降りるとこんな案内が出ています。

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arabia factoryの方へ向かうと、こんな風景。

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建物の入り口はこんな感じ。上から差し込む光と影が良いです。

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ミュージアムはエスカレーターで最上階。途中見える素敵な図書館や青空に感動。入場料を払うと、ここでもアウトレットでA品が20%オフになるクーポンをくれます。

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歴代のアラビア製品がずらりと展示されています。所謂、フィンランドっぽいデザインになるよりずっと前から陶器を作っていたんですね。王冠みたいなマーク以外は初めて見ました。

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 このあたりのマグカップは実際使っている方も多そう。自分の持っているカップが展示されていたら何だか嬉しくなりますね。

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 こちらは現行品の作られ方の展示、プリントながらこんな手順で作られていたんですね。

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市販された製品以外にも、アート作品もいくつか。この鳥大股でがしがしと歩いていそうな姿が目に浮かびます。よく見ると左下にどうみても力士な像がいて気になります…

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走る兎たち。程よいデフォルメと、飛び跳ねる動き、可愛らしさが同居した作品で、これが一番気に入りました。

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 果物??高密度な造形です。

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 出入り口から見るとこんな風景。歴代製品+アートをまとめて見れて良かったです。

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 1階にあるアウトレットは、イッタラ全般製品を取り扱っています。右側がイッタラ。左側はファブリック屋さんでした。アウトレットは日本人率高し!でしたが、ミュージアムは空いていて、陶器好きなら見逃せない内容なので、ここまで来たなら両方行くことをオススメします。カフェや北欧グッズを扱うお店も同居しているので、幅広く楽しめます。

アウトレットでは2010年のアニュアルエッグ(Rosebudのエッグ)がセールになっていたのでゲット。エッグには手を出さないつもりだったけれど、模様に心惹かれて買ってしまいました。

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 このアラビアファクトリー、同じ建物の中にフィスカルス関連の学校?か何かもあるようで、中には入れなかったものの、こんな素敵な展示物をガラス越しに眺めることができました。

よく見るとこれはスコップ!螺旋状に置かれているだけ、ではありますが現代アートになってます。

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ハサミと斧。

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アテネの朝もこんなに沢山あるとまた雰囲気が違いますね。

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オマケ:ヘルシンキ最大のデパート、Stockmanの1階にアラビアの陶板が飾られています。目線をちょっと上にすると見えますので、ファンの方は是非探してみてください。鳥、果物、花々の密度が高い素敵な陶板です。

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白夜のフィンランド リーヒマキガラス美術館にいく 後編

後編は、リーヒマキガラス美術館内の展示内容についてです。館内は明るく、撮影OKです。展示の仕方そのものも美しいのでとても楽しく写真を撮れました。写真はすべて、EOS6D+SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSMの組み合わせです。

まずはエントランスでチケットを購入。2階建ての建物で1階はガラス製造の歴史とテクニック、2階は歴代のガラスの実物が日用品からアートまで勢ぞろいしています。

1階の展示内容で目に着いたのは、Birds by Toikkaの作り方。ヌータヤルヴィまで見学に行ったのにもかかわらずよくわからなかったイッタラバードの波型の模様の製法が分かってすっきり。ガラスの塊を、モールドで成形することで作られていたんですね。尾が延ばされる前のバードって、殆どエッグと同じ形をしていたんだな、というのも発見でした。

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ガラスの淵を自動的に滑らかに処理する機械も展示されていましたが、実際、イッタラの工場見学でも同じシステムが稼働中でした。

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この綺麗なお皿をマウスブローで作っていくムービーが流れていましたが、時間との戦いで大変なテクニックが必要なんだということが改めて理解できました。

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2階では、薬や香水等の入れ物としてガラスが多用されていた時代のものから、現代のアート作品まで、歴史的解説と一緒に見学できます。

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 先ほどマーケットで見かけたゴブレットがここにも収められています。

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 部屋の中央部分にはアート性の高い作品が格納されています。下の2点はOiva Toikkaの作品。天真爛漫な優しい形をしています。

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 Kaj Franck等の、2色のグラデーションが美しい花器のコーナー。

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ここにもBirds by Toikkaが。尾が二つに割れている初めてのバードであるkihu/labbe、1981年から製造が続くFasaani、と両方好きなバードが所蔵されていて何だか嬉しくなりました。

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初期の作品としてファンの多いSieppoもいました。

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企画展のTapio Wirkala/タピオ・ヴィルッカラ展は大きなホールの中で広々と展示されており、こちらも見ごたえがありました。ちなみに、この方の名前のrの発音はかなり巻き舌のようで、日本語にない音に聞こえました。

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ロビーの天井にはこんな鳥のオブジェも。

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様々な作家、ブランドのフィンランドガラスを潤沢な点数で見られるのが、この博物館の醍醐味です。ヘルシンキからはちょっと離れますが、十分に日帰りも可能なので、また是非行ってみたいなと思う場所でした。

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ガラスを満喫した楽しい夏の日でした。日の光に感謝!

白夜のフィンランド リーヒマキガラス美術館にいく 前編

リーヒマキにあるガラス美術館/Suomen Lasimuseoに行ってきた訪問記です。公式Webは英語で書かれている部分が少ないので、情報収集が難しかったですが、今回の旅の中で一番楽しかった訪問となりました。

ここは古くはリーヒマキのガラス工場があった場所ですが、今はフィンランドのガラス全般を扱う博物館となっています。今回の訪問のお目当ては博物館の展示と、毎年6月初旬に開かれているガラスマーケットです。

<アクセス情報>

開館時間:10-18時、火曜日は休み ※1月いっぱいも休館。

HelsinkiからVRでRiihimäkiまで50分、その後駅からバスに乗車。

リーヒマキまでは、commuter trainと、InterCity 2trainの両方利用できますが、乗車時間に10分も差がないので、今回はcommuter trainで行きました。120分有効のZone ticketを購入し、11.6€でした。これを電車の中にある、打刻機に挟むと有効になります。

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リーヒマキ駅を降りたら、こんな風景。

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まっすぐ進んで道路の向かい側にあるこの場所が、美術館行きのバスが出るバス停です。

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2013年6月時点のバスの時刻表、M-Pは月曜日から金曜日、Lが土曜日、Sが日曜日の意味です。このバス、電車の到着時刻とのつながりもよくなく、バスの本数もかなり限られるので、時間が合わなかったらタクシーも現実的なのかもしれません。

徒歩もできなくはない距離なので、念のため地図等を持っていくとなお安心だと思います。

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白樺林に囲まれた建物外観はこんな感じ。建物手前に人ごみがあるのは、年1回のガラスマーケット"The collectors glass market"が開催されているから。

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ガラスマーケットでは、(正確に数えていませんが)50を超えるディーラーが所せましとブースを出していて、日用の食器からアート作品までさまざまなガラスを見る・買える・話せるので、ただ巡るだけでもとても楽しかったです。ただし、英語はヘルシンキより通じない感じでしたが、親切・正直な人が多い感触で、問題ありませんでした。殆どなんでもクレジットカードで買えるフィンランドですが、ここでの買い物は基本的に現金だけなので、現金を忘れないようにしましょう。買い物したものを入れる袋モノもお忘れなく。

10時過ぎについたのですが、既にマーケットは結構込み合っています。

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 ガラスと明るい日差しの組み合わせは最強です。

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 Kaj Franck/カイ・フランクのゴブレットシリーズ、生で見たのは初めてでしたが、層状に重なる色ガラスが写真以上に美しく、また憧れの品が増えてしまいました。

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 イッタラのガラス博物館で見たガラスと再会。

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 これは『森と湖の国 フィンランド展』の企画でも目立っていた、アイモ・オッコリンのスイレンシリーズ!太陽光に照らされて輝いていました。やはり結構いいお値段でした。

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Oiva Toikkaのバードは全ディーラーの机にある、わけではなかったですが、このようにまとめて扱っているディーラーもチラホラと。

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こちらのブースではAnnual birdが沢山勢ぞろい。

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ヘルシンキ以外の街のディーラーも多数出品しているせいか、効率よくバードを探すことができ、今回は2羽持ち帰りました。思っていたより安く、いい品を入手できたので大満足です。ゴブレットやアニュアルキューブも素敵で大変後ろ髪をひかれるイベントでした。

マーケットに出回っているのは、基本的にはセカンドハンド品ですが、日用品から博物館級のアートピースまで幅広く見る・買い物することができるので、ガラス好きの方にはこのイベントは強くオススメ。北欧の夏の日差しの中に透けるガラスは、最上級の美しさです。

後半編では、ガラス博物館の中身を紹介します。常設展のほか、Tapio Wirkala/タピオ・ヴィルッカラの企画展もあり、マーケットに負けず劣らず素晴らしい展示内容でした。

 

 

 

白夜のフィンランド イッタラ Glass Museumに行く

フィンランドイッタラにあるGlass Museumの訪問記です(アクセス情報はファクトリーツアーの方を参照ください)。ちなみにフィンランド語だと、Glass Museumは、LasiMuseo。フィンランドも地方だと英語通じる率が下がるので、Lasiは覚えておいてよかった単語でした。

外見はこんな感じ。

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建物は2階建て、光溢れる環境の中、イッタラの歴代ガラス製品を堪能しました。

1解はこんな感じで、ガラスケースの中に美しくガラス製品が収められています。

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 Oiva Toikkaの2013年のアニュアルバードやアニュアルキューブと、花瓶…??この緑の葉っぱが肩についているのがなんとも可愛らしい。

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かつて使われていた木のモールド。

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Aalto vaseも各種サイズと色が勢ぞろい。

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 Timo Sarpanevaデザインの優しい色合いのガラスたち。このガラスケースごと、横から見ると、色が重なってまた美しかったです。まずは上から見るとこんな感じ。

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横から眺めると、透けるガラスの色の重なりと、ガラスケース自身への反射が素敵で、何枚もシャッターを切りました。

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2階に上がると、Birds by Toikkaが大量に生息しており、ファンは破顔せざるをえません。部分的に紹介します。

このSong Thrush、シャープな形でとても良い個体だと思います。胸のあたりのコントロールバブルと、背中の斑点模様で、地味な色合いながら存在感がありました。いつか捕獲しようと決心。

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 思っていたよりずっと大きかったDiverのシリーズ。規則正しい網目状の模様が魅力的。

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珍しい脚なしKiikkuri。

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 私の一番好きなバードのKihu/labbeも所蔵されていました。白い波模様は結構個体差があるみたい。

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 他にもアニュアルバードや、Kiwiシリーズなどまとまった数のバードが見られたので大満足です。

アニュアルキューブは小宇宙。

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このお皿や花瓶?の模様、細い白と茶色の螺旋ですが、Tylli/Ringed Ploverと同じ作られ方ですね。

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<参考>Tylli/Ringed Ploverはこんな柄のバードです。

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ガラスに線上の模様を作るモールド等、製作器具もいくつか展示してあります。バードの模様はこんな風に作っていたのか、と納得。

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最後に同じ敷地内のIittala outlet(まさしくiittalaの!)へ。Museumに入館していると、このoutletで正規品は20%off、B品は10%offのクーポンをくれます。免税処理もOKです。

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製造終了品等が置かれているワゴンセールコーナーは、アラビア、イッタラ、フィスカルス製品がかなりお安くなっており、中でも2012年に製造終了になったFiskarinaが300ユーロを切っていたのでお買い上げ。縞模様の入り方や体型が好みのFiskarinaをここで見つけられてラッキーでした。今回の旅行では、他の場所のiittala outletも行ったのですが、セール対象品は場所ごとに違ったので、買い物もより楽しめました。フィンランドだと、製造終了になるとセール品の扱いになるのは、日本とは違いますね。

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この博物館、歴代ガラス製品が美しく展示され、さらに撮影OKと有りがたい環境。フィランドのガラスのファンならオススメの場所です。アウトレットに比べると、人が少なく、じっくり観賞できます。

 

 

白夜のフィンランド イッタラファクトリーツアーに行く

フィランド旅行記の2番目は、イッタラ/iittalaにある、イッタラグラス工場&ミュージアムの記事です。日本でイッタラ、と言えばガラスやカトラリーのブランド名ですが、元々古いガラス工場があったフィンランドの地名で、今でも大規模な製造がおこなわれています。

現在イッタラにある工場では、アアルトベースやウルティマ・ツーレ等、ガラスの主力製品を中心に製造していますが、今回の見学では泡の入り方が美しい【タピオ】のグラスや若手デザイナー ハッリ・コスキネンデザインのキャンドルホルダー【ランタン】製造を見ることができました。なお、来年はイッタラとヌータヤルヴィのガラス工場の統合も決定しているとのことで、Birds by Toikka等アート性の高いガラス製品もイッタラで作られるそうです。

2013年6月現在、イッタラでは

  • Glass museum:11:00~17:00にOPEN。入場料は大人4ユーロ。入場料を払うとおまけに付属のイッタラアウトレットの1-2割引き券をくれる。
  • Factory tour:月曜日から金曜日に、無料・予約不要で12:00~と15:00~にGlass Museum受付前に集合すると、ガイド付きで見学させてくれます。今回は英語で話してくれました。写真撮影OK、動画はNGとのこと。

の2つの見学が可能です(その他、カフェ、イッタラアウトレット、チョコレートショップ等の設備もあり)。ツアーの内容等は随時変わっているようなので、事前にメールで問い合わせ(iittala.museum@iittala.com)するのが安心です。今回も英語ですぐ返事を頂けたのでとても助かりました。

<アクセス情報>

ヘルシンキからVRでiittalaへ。駅からは徒歩5分程度。行きも帰りも1日に数本しか電車がないので、事前に時刻表を調べることが必須です。なおiittala駅は無人駅のため、帰りの切符は電車の中で車掌さんから直接購入します。

 

iittala駅のホームについたら、1つだけ階段があるので下り、トンネルをくぐりぬけてください。そのまままっすぐ進むと、とても小さなiittalaと書いてある看板が出てくるので、右へ。

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iittalaの看板。小さい!

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スーパーが見える(下の写真で黄色い旗がたっている建物)のでその手前を左に曲がります。

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この道をずっと進むと工場が見えてきます。

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イッタラiマークが見えるのが工場です。道に沿ってそのまま進むと、Glass museumに着きます。

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工場の傍がガラス廃棄場になっており、膨大なガラスの量に唖然。ガラスって材料として再利用が難しいんでしょうか…

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まずはファクトリーツアーの方から。

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終日稼働の巨大な炉から立ち上る熱気。職人はこまめに休憩時間を取りながら朝・夕の2シフトの交代制で勤務しているとのこと。

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マウスブローで吹く→長さ計る→泡を作る→冷ますの順にどんどんタピオのグラスが作られて行きます。ガイドしてくださった方がおっしゃる通り、機械は使うけれど、あくまで人が作るのを助けるためで、基本はマウスブローというのがよく分かります。

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タピオの底に閉じ込められた泡は、今でも木の枝を差し込んで作られていたんですね!昔から変わらないこの泡の作られ方に感動です。

向こう側では、600mmのランタンが作られています。今日の色は白。

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こちらのガラスもあっという間にマウスブローでむくむくと膨れ上がり、モールド/型におさめられた状態でさらに息を吹き込み、シンプルながら完成された形ができあがっていきます。マウスブロー役とモールド管理役(挟む、冷ます)の連携プレイですね。

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完成したランタンを見せてくれました!600mm級のガラスを膨らませるのは重力や時間との戦いだな、と素人目にも感じました。

次の記事は、Iittala Glass museumについてにします。